※この記事は金融機関職員の監修の下、執筆しています。
金利が高い固定金利とリスクがある変動金利。
ーー住宅ローンを組むのなら、決めなくてはならないのがこの金利タイプです。
ーーこの記事では、住宅ローンと金利タイプの種類についてわかりやすく解説していきます。
- フラット35と銀行の違いを知りたい
- 固定金利と変動金利どちらを選べばいいか悩んでいる
- それぞれの違いをわかりやすく教えてほしい
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【借り方の種類】①住宅ローン
まずは、住宅ローンの種類について説明します。
- 財形住宅融資
- フラット35
- 民間住宅ローン(銀行等)
財形住宅融資
財形住宅融資は、5年固定金利の公的ローンです。
財形貯蓄を利用している人が対象です。
借入条件 | 申し込み時70歳未満。財形貯蓄残高50万円以上。財形貯蓄を1年以上積み立てている。 |
---|---|
借入額 | 財形貯蓄残高の10倍以内かつ4,000万円以下。購入価格の90%以内。 |
金利 | 5年ごとに金利を見直す5年固定金利 |
財形貯蓄は、給料から天引きされることにより自動的に貯金できる福利厚生の制度です。
この制度を利用していなければ、財形住宅融資は使えません。
また、財形住宅融資は5年固定金利です。
借り入れ時は安くても、見直し時に高い金利が適用される恐れがあります。
※必ず以下のリンクより最新情報をお確かめの上、ご検討ください↓
財形住宅融資/住宅金融支援機構
フラット35
フラット35は、全期間固定金利の住宅ローンです。
借入条件 | 申し込み時70歳未満。返済比率が年収400万円未満なら30%以下。年収400万円以上なら35%以下。 |
---|---|
借入額 | 8,000万円以下。購入価格の100%以内。 |
金利 | 最長35年の全期間固定金利 |
フラット35は全期間固定金利であるため、途中で金利が変わることはありません。
返済比率って? 具体例を挙げて解説しています!
フラット35を検討する前に! 基本とメリットデメリットを抑えておこう!
民間住宅ローン(銀行等)
メガバンクや地方銀行など、民間の金融機関から借りられるのが民間住宅ローンです。
借り入れ条件や金利は金融機関によって異なります。
民間金融機関が取り扱っている商品の金利タイプは主に3つに分けられます。
- 全期間固定金利
- 当初固定金利
- 変動金利
- 財形住宅融資は、5年固定金利の公的ローン
- フラット35は、最長35年の全期間固定金利の住宅ローン
- 民間ローンには、主な金利タイプとして全期間固定・当初固定・変動がある
- 金融機関によって借り入れ条件や金利、取り扱っている商品はさまざま
【借り方の種類】②金利タイプ
先ほど説明したとおり、金利タイプは主に3つあります。
- 全期間固定金利
- 当初固定金利
- 変動金利
固定金利と変動金利の違いは利息が変わるかどうかです。
固定金利といえば全期間固定金利を指すことが多いですが、当初固定金利のように期間が決まっていることもあります。
全期間固定金利
借り入れから完済するまで金利が変わらないタイプを全期間固定金利タイプといいます。
- 計画的な返済ができる
全期間固定では完済まで金利が常に一定なので、返済計画が立てやすいです。
金利が上がったらどうしよう……なんて気を揉む必要もありません。
- 金利は高め
- 金利が下がる局面でも変わらない
全期間固定は、後述する当初固定金利や変動金利に比べると適用される金利は高めです。
また、完済まで常に一定の金利を支払う約束で借りているため、景気が悪くなっても金利が下がることはありません。
当初固定金利
借り入れしてからはじめの決まった期間は金利が固定されるタイプを当初固定金利タイプといいます。
固定される期間は
- 3年
- 5年
- 10年
- 20年
などから選ぶことができ、その期間によって適用される金利は異なります。
はじめに決めていた固定期間が終わった後は、原則もう一度金利のタイプを選べます。
- 全期間固定より金利が低い
- 固定期間中は返済計画が立てやすい
当初固定は、全期間固定よりも適用される金利が低めです。
そして、固定期間中については金利が変わらないため返済計画が立てやすいです。
- 変動金利より金利が高い
- 固定期間終了時に金利が上がっている恐れがある
当初固定は、変動金利よりも適用される金利が高いケースが多いです。
固定期間が終われば再選択になるので、金利が上がっていればその金利で返済することになります。
変動金利
定期的に金利が見直されるタイプを変動金利タイプといいます。
- 金利が低い
金利が低い順に並べると、
変動<当初固定<全期間固定
となることが多いです。
- 金利が上昇するリスクがある
借り入れ時の金利が低めでも、定期的に見直されるので将来的に金利が上がるリスクがあります。
金利が上がれば、毎月の返済額も上がってしまいます。
- 全期間固定金利は返済終了まで金利が変わらないが、高め
- 当初固定金利は初めのうちだけ金利が変わらず、期間が終われば再選択になる
- 金利の低さで並べると、変動<当初固定<全期間固定となる
- 変動金利は金利が低めだが、定期的に見直される
リスクヘッジしたい人はミックスローンがおすすめ!
金利が低い変動タイプは将来的に金利が上昇するリスクがあります。
しかし、固定タイプだと返済負担が重くなる恐れがあります。
そこでおすすめなのが、固定金利と変動金利をミックスした借り方です。
- 固定金利一本で借り入れるより返済額を軽減できる
- 変動金利一本で借り入れるよりリスクを軽減できる
ミックスでの借り入れだと、返済額を軽減しつつリスクも軽減することが可能です。
- それぞれのメリットが薄れてしまう
- 諸費用が高くなる
ミックスでの借り方は、それぞれのリスクが抑えられる分メリットも薄まってしまいます。
また、二本立てで借り入れると契約書が複数枚必要なため、諸費用が高くなってしまいます。
ミドルリスク・ミドルリターンにしたい人は必読! 組み合わせの決め方についても解説しています
ーー高額かつ長期間返済していく住宅ローン。
少しでもリスクヘッジしたい人は上述のように全期間固定金利と変動金利をミックスした借り方がおすすめです。
ちなみに、固定と変動の割合は自由に決められますよ。
- 固定金利と変動金利の2本で借りることをミックスローンという
- それぞれの割合は自由に決められる
- 返済額やリスクを抑えられる一方でメリットも薄まってしまう
- 1本で借りるよりも諸費用がかかる
まとめ:自分に合った住宅ローンや金利タイプを見つけよう
メリット | デメリット | |
---|---|---|
全期間固定 | ・金利が変わらない | ・金利が高い |
当初固定 | ・固定期間中は金利が変わらない ・全期間固定よりも金利が低い | ・金利上昇のリスク ・変動金利よりも金利が高い |
変動金利 | ・金利が低い | ・金利上昇のリスク |
ミックス | ・リスクと返済額を抑えられる ・割合は自由に決められる | ・金利上昇のリスク ・それぞれのメリットが薄まってしまう ・諸費用がかかる |
金利上昇のリスクを避けたい場合は全期間固定金利、とにかく返済額を抑えたい場合は変動金利が向いています。
しかし、それぞれデメリットがあるため返済額を抑えつつも金利上昇のリスクを軽減できるミックスでの借り入れがおすすめです。
どちらをどれくらいの割合にするかは自由に決められるので、自分たちに合った借り方を考えてみてくださいね。
小幸とみ(@koyuki_baby)でした。
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