※この記事は金融機関職員の監修の下、執筆しています。
自分たちの世帯年収でいったいどれくらいの住宅ローンが組めるのか。
これを知らないとマイホームの予算が組めませんよね。
夢のマイホームを現実のものにしたいのなら、まずはここを理解するところから始まります。
今でこそ知識がありますが、私自身、マイホーム購入時は調べても調べても理解できずたくさん悩みました。
結論だけ言ってしまえば、
- 借りられる額の上限目安 年収×7倍
- 1年で返す額の上限目安 年収×0.3倍
です。
ーーこれだけでは分からないと思いますので、この記事で住宅ローンを組める額と返す額についてわかりやすく解説していきます。
- 年収400万円〜500万円でどれくらい借りられるのか知りたい
- 住宅ローンを組める額と返す額について理解したい
- 住宅ローンの知識がゼロでもわかるように説明してほしい
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【住宅ローン】いくらまで借りられる?│借り入れ額の上限と理想
厚生労働省の調査によると、1世帯あたりの平均所得金額は552万円、中央値は437万円です。
こちらを参考に、今回は年収400万円〜500万円を例にしてシミュレーションしていきます。
借り入れ上限目安は年収×7倍
住宅ローンを借りられる金額の上限目安は年収×7倍です。
- 年収400万円の世帯 2,800万円まで
- 年収500万円の世帯 3,500万円まで
これ以上は絶対組めないというわけではありませんが、審査に落ちる確率が高くなってしまいます。
ただし、金融機関によって審査基準はまちまちです。
一度断られたとしても金融機関を変えれば審査に通るということもありますので、複数で審査がおすすめです。
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理想の借り入れ額は年収×5倍
借りられるからといって多額のローンを組んでしまうと、毎月の返済が苦しくなるかもしれません。
生活費や貯金のことも考慮すると、年収×5倍以下の借り入れにとどめるのが理想です。
ボーナス返済 | なし |
---|---|
借入期間 | 35年 |
返済方式 | 元利均等返済 |
金利方式 | 全期間固定 |
借入金利 | 1.0% |
返済条件を上記のとおりとして、
- 借り入れ額3,500万円(年収500万円×7倍)
- 借り入れ額2,500万円(年収500万円×5倍)
でシミュレーションしてみると……
- 借入額3,500万円 98,799円/月
- 借入額2,500万円 70,570円/月
住宅ローン返済額シミュレーション(みずほ銀行)より
ーーこの条件の場合、毎月の返済額が3万円ちかくも変わってきます。
住宅ローンは長い年月をかけて返済していくものなので、毎月の負担はなるべく少ないほうがいいですよね。
住宅ローン返済額シミュレーション/みずほ銀行
住宅ローン借入可能額シミュレーション/みずほ銀行
- 住宅ローンを借りられる額の上限目安は年収×7倍まで
- 理想の借り入れ額は年収×5倍まで
- 無理なく返せる金額を試算してみよう!
【住宅ローン】大事なのはいくら返せるか。審査では年間返済比率も見られます
住宅ローンを借りるときは審査があります。
いくらシミュレーションしても、実際の審査に通らなければ意味がありません。
1年で返す「年間返済額」の上限目安は年収×0.3倍
借り入れ額や返済額が少なければ少ないほど審査には通りやすいですが、目安を知りたいですよね。
その前にまず、1年で返す合計金額である「年間返済額」について考えてみましょう。
ここでのポイントは、今借りている別のローンがあればそれも計算に含まれるということ。
たとえば奨学金や車のローンなど。
今借りているすべてのローンと新しく借りるローンを足した1年の返済額の合計が「年間返済額」です。
年間返済額について学んだところで、あらためて審査について考えてみましょう。
金融機関によって違うものの、審査の基準は年間返済比率が年収の30%以下であることがひとつの目安となります。
年間返済比率は年収における返済額の割合をみるもので、年間返済額÷年収で計算できます。
毎月12万5千円返済(ボーナス返済なし)と仮定すると、×12で年間返済額は150万円ですね。
年収500万円の家庭の場合、先ほどの式に当てはめてみると
年間返済額(150万円)÷年収(500万円)=年間返済比率(0.3)
となり、年間返済比率が30%ということになります。
逆に、年間返済比率を30%に抑えたい場合の計算式は、
年収(500万円)×年間返済比率(0.3)=年間返済額(150万円)
です。
つまり、年収に0.3をかけると年間返済額上限の目安が出るということですね。
年収400万円の場合は、400万円に0.3をかけた、120万円が年間返済額上限の目安ですね。
これを12で割ると、毎月10万円が返済額ということが分かります。
ただし、車のローンや奨学金の返済など別の借り入れもこの返済額に含まれます。
たとえば他の返済が月々2万円ある場合は、10万円から2万円を引いた8万円が住宅ローンの月間返済額目安です。
理想の年間返済額は年収×0.2倍
審査を基準で考えた場合の年間返済額上限は年収×0.3倍とお伝えしました。
しかし、こちらも借り入れ額同様、めいっぱい組むと生活が苦しくなる恐れがあります。
生活を考えるなら、年収×0.2倍以下の年間返済額にとどめるのが理想です。
年収(500万円)×年間返済比率(20%)=年間返済額(100万円)
年間返済額(100万円)÷12=83,333.333……円
年収(400万円)×年間返済比率(20%)=年間返済額(80万円)
年間返済額(80万円)÷12=66,666.666……円
クレジットカードが審査落ちの原因になることも?
ひとつ、注意してほしいことがあります。
それはクレジットカード払いを多用しているケース。
便利なので、買い物での支払いや固定費などの引き落としに利用している人も多いのではないでしょうか。
クレカを使いすぎているとそれが原因で住宅ローンの審査に落ちることがあります。
クレジットカード払いも一時的とはいえ借金です。
少額の利用であれば問題ないことがほとんどですが、多額であれば審査に影響するおそれがあります。
他のローンがないのに審査に落ちる人は、審査に通るまでクレジットカードの利用を控えてみましょう。
- 年間返済額の目安は年収×0.3倍、理想は年収×0.2倍
- 車のローンなど他の借り入れも審査に影響する
- クレジットカードが審査に引っかかることも
まとめ:住宅ローンを組める額の上限目安は年収×7倍、返す額の上限目安は年収×0.3倍
年収400万円〜500万円で住宅ローンを借りられる額と返す額については、ざっくり以下の表のとおり。
上限と理想 (年収×○倍) | 年収400万 | 年収450万 | 年収500万 |
---|---|---|---|
借入額上限 (7倍) | 2,800万 | 3,150万 | 3,500万 |
借入額理想 (5倍以下) | 2,000万 | 2,250万 | 2,500万 |
返済額上限 (0.3倍) | 10万/月 120万/年 | 11.25万/月 135万/年 | 12.5万/月 150万/年 |
返済額理想 (0.2倍以下) | 6.6666万/月 80万/年 | 7.5万/月 90万/年 | 8.3333万/月 100万/年 |
上の金額を絶対に超えてはいけないというわけではありませんが、ひとつの目安にはなるはずです。
毎月どれくらいまでなら無理なく返済していけるのか、月々の生活費なども考慮した上で一度夫婦で話し合ってみてください。
少しでも返済負担を減らしたいなら住宅ローンの金利にも着目してみてくださいね。
ーーこの記事が少しでも参考になれば幸いです。
小幸とみ(@koyuki_baby)でした。
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