変動金利だとリスクが怖いし、固定金利だと金利が高い。
金利は少しでも抑えたいけどやっぱり変動金利は怖い。
ーー住宅ローンの金利タイプを決めたくても堂々巡りに陥ってしまいますよね。
住宅ローンは複数で組むことも可能です。
この記事では、ミックスローンのメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
- 住宅ローンの金利タイプで迷っている
- 金利を抑えたいがリスクも抑えたい
- ライフプランに合わせて返済額を軽減させたい
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ミックスローンとは
ミックスローンとは、1人の借り手が複数の住宅ローンを組むことです。
多くの場合、金利タイプや返済期間が異なるもの同士を組み合わせて借り入れをし、契約自体が2本になります。
ペアローン では借り入れ額を増やす目的がありますが、ミックスローンの目的はリスク分散です。
ミックスローンの組み合わせと繰り上げ返済
組み合わせの決め方
- 金利上昇が不安
- 返済がカツカツ
固定金利の割合を増やすことで変動金利の金利上昇リスクを抑えられます。
返済がカツカツな場合も、将来変動金利が上昇してしまったときに生活が回らなくなってしまう恐れがありますので、固定金利多めがおすすめです。
- 金利上昇リスクにある程度耐えられる
- 100%変動は不安だが、金利もできるだけ抑えたい
変動金利を増やすことで金利の負担を減らせます。
しかし、金利上昇リスクがあるため、資金に余裕があり将来返済額が上がってもある程度耐えられるかが大事なポイントとなります。
変動金利100%で組むのは怖いという場合にもおすすめです。
- 資金はあるが住宅ローン控除をめいっぱい受けたい
- ライフプランに合わせて柔軟に組みたい
たとえば35年ローンと10年ローンを組み合わせて借り入れた場合、短期間のローンを完済することで返済負担を減らせます。
返済期間をミックスする理由として多いのが、お金のかかる時期の返済負担を減らしたい・住宅ローン控除をめいっぱい受けたいなどです。
ただし、返済期間を短くすればするほどその期間の負担は増えます。
住宅ローンは長期間支払うものなので、無理のない返済計画が大事ですね。
○年固定金利という商品は、○年でローンが終わるという意味ではありません。
初めの○年は固定金利で、その期間が終われば変動金利に移行する当初固定金利という商品です。
繰り上げ返済の順番とタイミング
ミックスローンで借り入れた場合、繰り上げ返済の順番やタイミングに悩むかもしれません。
ここで少し触れておきますね。
繰り上げ返済の順番
- 固定金利から先に返済
- 変動金利から先に返済
- 期間・残高が少ないほうから先に返済
繰り上げ返済するときの状況にもよりますが、基本的に固定金利は変動金利よりも金利が高く設定されています。
金利を抑えたければ固定金利から先に返済という選択肢が考えられます。
変動金利は金利が低いですが、将来金利が急上昇することもあります。
リスクヘッジを重視するなら変動金利から先に返済という選択肢が考えられます。
決められない場合は、住宅ローンを組んでいる残りの期間や残高が少ないほうから先に返済するという方法もあります。
複数組んでいるローンのうちひとつだけでも片付けば、少しほっとしますよ。
繰り上げ返済のタイミング
もしも資金に余裕が出たとしても、住宅ローン控除中の繰り上げ返済はあまりおすすめしません。
住宅ローン控除は、条件はあるものの年末時点での住宅ローン残高の最大1%分が所得税から控除される制度です。
ーーこのため、場合によっては繰り上げ返済をしてもあまりお得とは言えなくなってしまうのです。
住宅ローン控除期間中にお金を貯めて、期間が終われば繰り上げ返済をする人が多いですよ。
住宅ローンの金利は例にないほどの低金利が続いています。
繰り上げ返済を頑張りすぎて車の購入費用や子どもの学費が足りずにローンを組むことになるのは、かなりもったいないです。
例として、フラット35の全期間固定金利は1.0%〜。(2021年2月時点)
対して車のローンや教育ローンは2%〜がほとんどです。
ーーまた、住宅ローンには団信がついており、保険としての側面も持ちます。
繰り上げ返済をしても手元にある程度の資金が残せるか、よく考えてから判断することをおすすめします。
- ミックスローンを組むことでリスク分散につながる
- 組み合わせ方は金利を抑えたければ変動多め、リスクを抑えたければ固定多め など
- 繰り上げ返済時は順番やタイミングをよく考えよう
ミックスローンのメリットとデメリット
ミックスローンを組む前に、メリット・デメリットも理解しておきたいですよね。
メリット
- リスク分散できる
- 片方だけを完済できる
- 住宅ローン控除が受けられる
全期間固定金利は借り入れから完済まで金利が変わりません。
そのため、全期間固定金利を混ぜて組むことで金利上昇リスクを減らせます。
借り入れ期間や金額に差をつけておけば、先に残高が少ないローンから完済できます。
片方のローンを完済することでお金のかかる時期に支出を減らせ、子どもの進学や定年退職などに備えることができます。
ローンを分けて組んだとしても、その全部で住宅ローン控除が適用できます。
デメリット
- リターンも薄れる
- 諸費用が多くかかる
- 取り扱っている銀行が限られる
ミックスローンでは、全期間固定の割合を増やせば増やすほどリスク分散ができる反面、金利が高くなってしまいます。
変動の割合を増やせば金利が抑えられる反面、リスクが高くなってしまいます。
ミックスローンの目的はリスク分散であるため、リターンが薄れたとしてもリスクヘッジがしたい向けです。
2本立てで借り入れるミックスローンでは契約書も2枚必要です。
そのため、1本で借り入れるよりも諸費用が余分にかかってしまいます。
余分にかかる費用は印紙代・登記費用・手数料など金融機関によってさまざまです。
三井住友信託銀行のワンライティングミックスローン のようなプランですと諸費用が抑えられますので、興味があれば見てみてくださいね。
ミックスローンを取り扱っている銀行は限られます。
また、複数の銀行とまたがって組むことはできません。
- リスク分散できる
- 片方だけを完済できる
- 住宅ローン控除が受けられる
- リターンも薄れる
- 諸費用が多くかかる
- 取り扱っている銀行が限られる
まとめ:リスク分散をしたいならミックスローン
ミックスローンはリスク分散をしたい人におすすめのローンです。
金利タイプを決めきれないときは、ミックスローンを検討してみてもいいかもしれませんね。
無理のない返済計画が立てられますように。
小幸とみ(@koyuki_baby)でした。
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