火災保険にかける金額を決めるのって難しいですよね。
目安や相場を調べるのは大事ですが、出てきた数字をそのままかけると損する恐れがあります。
ーーこの記事では、火災保険の保険金額の決め方について解説します。
- 火災保険の加入を検討中
- 火災保険にいくらかけたらいいかわからない
- 火災保険の相場や保険金額の決め方が知りたい
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火災保険|①支払われる保険金と建物にかける保険金額
火災保険とは、建物と家財(家具家電)を対象に火事や自然災害による損害を補償する保険です。
支払われる保険金
火災保険にかける保険金額について考える前に、万一のときに支払われる保険金について確認しておきます。
火災保険の保険金は、かける保険金額によって以下の2通りのいずれかで支払われます。
かける保険金額が損害額の80%以上であれば、保険金額を限度として実際の損害額が支払われます(実損てん補)。
なお、受けた損害額以上に支払われることは基本的にありません。
一方、かける保険金額が損害額の80%未満の場合は、一定の割合をかけた額が支払われます(比例てん補)。
建物にかける保険金額
火災保険で家にかけられる保険金額は、建物+カーポートなどの合計建築費です。
土地代や車は含まれません。
建築費を確認したい場合、「工事請負契約書」などで確認できます。
新築で建物+カーポートなどの建築費が合計2,000万円の場合、2,000万を上限として保険金額を考えてみましょう。
建物の評価方法には、新価(再調達価額)と時価があります。
- 新価 同等のものを新たに取得(再調達)するのに必要な金額
- 時価 新価から使用による消耗分を差し引いた金額
時価では、新価から経年劣化分が引かれてしまうため、時が経てば経つほど評価額が下がってしまいます。
今は新価による評価方法が主流ではあるものの、評価方法は必ず確認しておきましょう。
- 保険金額は損害額の80%以上の場合、実損てん補
- 80%未満の場合は比例てん補
- 建築費合計を上限として保険金額を考えてみよう
- 建物の評価方法が「新価(再調達価額)」か確認しておこう
火災保険|②家財保険の相場と保険金額の決め方
家財保険は、家財(家具家電)にかける保険です。
書類を確認すればすぐにわかる建築費とは違い、家財(家具家電)にかける金額は人それぞれ。
それゆえにどれだけ保険をかけるかは悩みどころですよね。
家族構成や年齢から家財保険にかける金額の相場がシミュレーションできますが、これに頼ると失敗しやすいので注意です。
家財保険の相場
家族構成や世帯主の年齢から家財保険の相場を調べることができます。
サイトによって誤差はあるものの、大まかには下記の表のとおり。
25歳 | 30歳 | 35歳 | 40歳 | |
---|---|---|---|---|
大人2人 | 500万円 | 700万円 | 900万円 | 1,100万円 |
大人2人 子1人 | 600万円 | 800万円 | 1,000万円 | 1,200万円 |
大人2人 子2人 | 700万円 | 900万円 | 1,100万円 | 1,300万円 |
大人2人 子3人 | 800万円 | 1,000万円 | 1,200万円 | 1,400万円 |
保険の知識がないと、こんなものなのかと相場どおりの金額をそのままかけてしまいがちです。
ーーというよりも、これは私が実際にやってしまった失敗です。
相場の金額が正しいと信じて疑っていなかったため相場+αで家財保険に900万円かけていました。
家財にかける保険金額
我が家が家財保険にかけている金額が高いと気づいたのは、見直しのとき。
火災保険の一括比較がしたくて、無料診断 に申し込んだところ、家財保険に900万円は高いと教えていただきました。
では家財にいくらかけるのが正解なのかというと、実際に家にある家具家電のおおよその合計額。
ーーというのも、火災保険などの損害保険はどれだけ高い保険金額をかけていても実際に損害を受けた金額しか支払われないんですね。
結局我が家は見直し で、家財保険の金額を900万から保険の方に勧められた300万に下げました。
全部買い直したとしても多めに見て200万〜300万くらいだった。
もちろんインテリアにこだわっていたりブランド物や高級家電などがあったりする場合は、多めにかけておくと安心です。
家財保険にかける保険金額は、相場を参考にするよりも実際に所有している家具家電の合計額を上限とするのがおすすめです。
わからなければ、私のように無料診断や最安値比較 をしてみるのもいいですね。
- 家財保険の相場は高めに設定されている
- 実際の損害額以上に保険金が支払われることはないため、高くかけると払い損になることも
- 自宅にある家具家電の合計額をざっくりと計算してみよう
- わからなければ無料診断や最安値比較サイトに頼るのもアリ
火災保険|③地震保険の仕組みと保険金
地震保険は、地震・噴火・津波、および地震を原因とする火災や液状化による被害を補償する保険です。
地震保険の仕組みと補償対象
地震保険は火災保険の特約という位置付けであるため、単独の加入はできません。
また、地震保険の基本料率は建物の所在地と構造によって決まるため、どこの保険会社で加入しても支払う保険料は一定です。
地震保険の補償対象は居住用の建物とその家財です。
現金や車、1組30万円以上の貴金属などは対象外です。
地震による被害は補償対象ですが、紛失や盗難は対象外です。
保険金と保険金額
地震保険は、主契約である火災保険の30%〜50%の範囲でしか保険金額を設定することができません。
火災保険で建物に2,000万円・家財に300万円かけたとすると、地震保険で設定できる上限は建物1,000万円・家財150万円となります。
地震保険で支払われる保険金は、建物の損害の割合で決まります。
- 全損 100%
- 大半損 60%
- 小半損 30%
- 一部損 5%
なお、支払われる保険金の上限は建物5,000万円・家財1,000万円です。
割引と地震保険料控除
地震保険には4種類の割引があります。
- 建築年割引
- 耐震等級割引
- 免震建築物割引
- 耐震診断割引
いずれか1つしか適用できないものの、10%〜50%の割引があるのでぜひ書類を確認してみてください。
火災保険は対象外ですが、地震保険には控除があります。
対象 | 控除限度額 | |
---|---|---|
所得税 | 地震保険料の全額 | 50,000円 |
住民税 | 地震保険料の1/2 | 25,000円 |
地震保険料に1年で10,000円支払ったとすると、所得税では10,000円、住民税では5,000円を所得金額から引けます。
その分税金が安くなるため、控除があるとお得です。
会社員の場合、地震保険料控除は年末調整で受けられます。
保険会社から保険料控除証明書が発行されるので、忘れずに勤務先へ提出してください。
- 地震保険は火災保険の特約であるため、単独加入は不可
- かけられる保険金額は火災保険の30%〜50%
- 支払われる保険金は被害に応じて5%〜100%
- 地震保険には割引や控除がある
火災保険まとめ:適切な保険金額をかけることが節約につながる!
火災保険・家財保険・地震保険にかけられる金額や相場はそれぞれ異なります。
損害保険では多めにかけていても実際の損害額以上には保証されないため、適切に保険金額を設定することが節約につながります。
家財保険では相場よりも自宅にある家具家電のおおよその合計額から設定するほうが安くおさまることが多く、失敗しづらいですよ。
無料診断や一括比較 をうまく利用して節約できるといいですね。
小幸とみ(@koyuki_baby)でした。
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