自然な陣痛がくる前に薬などを使い陣痛を開始させる誘発分娩。
母子の状態が思わしくない時や計画分娩に使われることがあります。
ーーさて、ここで気になるのが
誘発分娩で出産する場合、どれくらいの時間がかかるのか
ということではないでしょうか。
この記事では、実際の私の経験より誘発分娩体験談をお伝えします。
- 初産
- 子宮口0cm
- 陣痛なし
- 誘発分娩をする予定がある
- 誘発分娩の過程や実際に出産するまでの時間が知りたい
- 誘発分娩の出産体験談が読みたい
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誘発分娩 出産体験談|①点滴開始
私の場合、出産予定日を過ぎるまでお産の兆候はほぼありませんでした。
それはもう、なさすぎて病んでしまうほどに。
ーー40週2日の妊婦健診で血圧を測ると130オーバー。
その前の健診でも血圧が高かったので緊急採血したところ、尿酸値も上がっていたため妊娠高血圧症候群の疑いにより、誘発分娩となりました。
ちなみに内診では「子宮口は触れないくらい奥にある」と言われていて、自然陣痛ももちろん始まっていない状態です。
12:00 点滴開始
無言で左に刺されましたが、利き手だったためその後食事など不便でした。
少量からスタートなので、開始すぐは点滴を刺している箇所の痛みが気になるくらい。
昼食を完食した後は寝てもいいか聞いているくらいまだまだ余裕でした。
張りは5分間隔。
少し息苦しくはあるものの痛くはなく、張ってるなーと思う程度でした。
徐々に薬の量が増えていったようで、14時ごろには2〜3分間隔の張り。
「子宮がぞうきん絞りされてるような痛み」という表現を初めて聞いたときは半信半疑でしたが、まさにそんな感じでぐーーーっと締めつけられるような強い痛みが続きました。
助産師さんが頻繁にモニターをチェックしにやってきます。
ーー夕方にはもうヘロヘロ。
もともと弱虫でビビりな私は、この痛みから早く解放されたいという思いでいっぱいになっていました。
17:00 点滴終了(子宮口4cm)
17:00 内診室に呼ばれます。
陣痛の間隔がせまく痛みも強いため、ベッドから降りて歩くのもひと苦労。
ふぅふぅ言いながら点滴を引きずりよろよろ歩いている私を見て
っていうけど
張ってない=しんどくないと思うなかれ。
内診してもらった結果、子宮口4cmに。ヤッター!!
一旦終了と聞いて喜んだのも束の間、水分補給に切り替えられるようで点滴が抜けるわけではありませんでした。
ーーまぁ、ここからがまだまだ長いんですけどね。
- 5時間の点滴で子宮口4cmに
- 張りは5分間隔→2〜3分間隔
- 子宮がぞうきん絞りされているような強い痛み
- 陣痛促進剤一旦終了でも水分補給するため点滴は抜けない
誘発分娩 出産体験談|②点滴なしでも夜通し陣痛
陣痛促進剤の投与が終わっても陣痛は続きました。
夕飯は意地で完食。
ーー長い夜が始まります。
20:30 LDRに移動
仕事終わりの夫が合流。
LDRに移動してモニターをつけます。
陣痛は続いてるものの、お昼に比べると間隔が空き、痛みも弱くなりました。
夜中 陣痛に耐えつつ朝を待つ
結局、陣痛が遠のくことはなく、8〜10分間隔くらいで張っていました。
このときはまだ余裕があり、仕事終わりの夫を気遣えるほど。
疲れてウトウトするものの、陣痛に起こされます。
個人的には仰向けがキツく横向きの姿勢がラク。
夫に腰をさすってもらったり産院にあったゴルフボールで押してもらったりしながら、ふーふーと息を吐きやり過ごしていました。
心がけたことといえば、なるべくトイレに行くこと。
尿や便が溜まっているとお産が進みにくいと言われていたためです。
助産師さんが様子を見に何度か来てくれるものの、内診するわけではなく赤ちゃんの心音聴くだけで終了。
そうやんな。赤ちゃんも疲れるよな。
陣痛促進剤を入れてるときに比べると確かにマシなのですが、それでもしんどいものはしんどいです。
- 陣痛促進剤終了後も陣痛は続く
- 尿や便が溜まっているとお産の進みが遅くなる
- 個人的には横向けの姿勢がラク
- 赤ちゃんが寝てるときはお産は進まない
誘発分娩 出産体験談|③点滴再開〜出産
ようやく朝がやってきました。
朝食を出されるもほとんど眠れなかった私は食欲がなく、パンを少しかじったくらいで夫にあげました。
ーーさあ、いよいよ点滴再開です。
9:00 点滴再開(子宮口7cm)
陣痛促進剤の投与が再開されると、やはり間隔も痛みも段違い。
夜は助けになったゴルフボールも、もう役には立ちません。
このときは手で直接押してもらうほうがラクでした。
ついに耐えきれなくなり、初めてナースコール。
痛みで自分では体勢が変えられず助産師さんに手伝ってもらいましたが、つらくてボロボロ涙が出ます。
お腹も腰も痛い。好きな体勢は取れない。おまけに内診グリグリ。
ーー今思い返しても、このときの内診はキツかったです。
子宮口7cm。
進んでるとはいえ、ゴールまではまだまだ遠く感じて内心ゲンナリでした。
点滴をガラガラ移動させながらヨタヨタ分娩台に移ります。
後から夫に聞いたところ、このときが1番つらそうで見ていて涙が出たそう。
ーーようやく分娩台に移動。
私は話すのに体力をあまり使いたくなかったため、お産中の暴言といえば夫に対するキツいひと言くらいでした。
当たり前ですが助産師さんのサポートのほうが圧倒的に上手で、ずっとついていてもらいたいくらいでした。
夫は、赤ちゃんが下がってきてるのにもかかわらずずっと腰ばかり押してくるため、全くラクにはなりません。
どこを押してほしいのか詳細に伝える気力もないため、サポートする人は時間の経過とともに押す場所もどんどん下にすることを覚えておいてほしいです。
ーーこのときは腰と肛門が圧迫される感覚がつらく、陣痛がくるたびにずっと小声でうめいていました。
痛いと言ってるときは陣痛がきてるときだから速やかに肛門を押せ
という夫への合図のためにわざとうめいていたのですが、もちろん伝わりませんでした。ですよねー。
あっ、水分補給のサポートはかなりありがたかったよ!
出産時にマスト! 寝たまま水が飲めるペットボトル用ストローキャップ
12:00ごろ ひたすら耐える(子宮口8cm)
子宮口8cm。
もう半泣きで、一つひとつの陣痛を乗り切ることで精いっぱい。
……もうお産やめたい。家に帰りたい。なめてたわけじゃないけどつらすぎる。
正直、無痛分娩にしたいという思いでいっぱいでしたが、今切り替えたらここまで耐えてきた時間がもったいないというドケチ根性で口には出しませんでした。
13:00ごろ いきむ(子宮口9cm〜出産)
子宮口9cm。
ここで違う助産師さんが来るのですが、正直苦手なタイプでした。
というのも、人が陣痛で苦しんでるのにどうでもいいことで話しかけてくるんですよ!
それ今必要?
答える余裕がなく黙っていると、
利き手に点滴を刺したのもこの助産師さんだったため、おそらく経験の浅い方だったのだと思います。
ーーここでいきむ体勢にされますが、骨盤に赤ちゃんがつかえていてまだ先は長そうとのことで姿勢を戻されます。
ジョロリ
なまあたたかい液体が出るのを感じました。
ひたすらうめきながらただただ耐えます。
もうどこを押されても効果はありません。
でも、これは幸せな痛み。
……なんて言ったって痛いものは痛い!!
口にこそ出しませんでしたが、心の中では弱音のオンパレードです。
またもやいきむ体勢になりますが、腰を上げるのがかなり苦しかったです。
いよいよ、子宮口全開。
ようやくいきむ許可をもらえたものの、私はうまくできませんでした。
とりあえず肛門に圧迫感を感じたときにいきんでみます。
このときは赤ちゃんを気遣う余裕もなく、一刻も早くこの痛みから解放されたいという思いでいっぱいだったと思います。
お産助けるためとはいえ、助産師さんが容赦なく産道に手を突っ込んできたり会陰を引っ張ってきたりするので、これもキツかったです。
ーーここで、赤ちゃんの心音が低下しているらしく、酸素マスクをつけられました。
そんな助産師さんの会話が聞こえてきてハッとしました。
今までこれ以上いきんだらヤバそうと思ったらやめていましたが、限界だと感じたときにもうひと踏ん張りいきむようにして頑張りました。
限界の向こう側のいきみが功を奏したようで、お産が進みました。
なるべく会陰切開は避けたかったのですが、このままでも裂けそうだし何より赤ちゃんを早く出すため。
ワガママは言っていられません。
ジョキン
会陰が切られたと同時に赤ちゃん誕生です。
会陰切開の痛みはわからないと聞いていたとおり、切られた痛みにも音にも気づきませんでした。
生まれた瞬間、今までの痛みが嘘だったかのようにスルリとラクになりました。
ーーというか、急所を切ったのに気づかないくらい陣痛のほうが強いなんて、ふつうにヤバいですよね。
- 陣痛促進剤の再開とともに間隔も痛みも段違いに
- 陣痛時の水分補給は寝たまま飲めるペットボトルストローがおすすめ
- いきむのが下手な場合、限界のあと一歩先まで頑張る意識を持つとうまくいくかも
- 急所を切っても気づかないくらい壮絶な痛みと戦っているので、多少のことは大目に見てあげて!
誘発分娩 出産体験談|④出産直後〜部屋に戻るまで
無事出産できたものの、赤ちゃんが泣きません。
夫がうるうるしながらなにか言ってきましたが、放心状態で上の空でした。
胎盤出産と会陰縫合
助産師さんが背中を叩いて羊水を吐かせてくれたようで、ようやく産声が聞けました。
産道にいる時間が長く、羊水をたくさん飲んでしまったみたいでした。
その後カンガルーケアで赤ちゃんが胸元に連れてこられましたが、涙がじんわりにじんでくる前にさっさと連れて行かれました。
胎盤を出すためにお腹を押され、これも地味に痛かったです。
子ども産むために頑張れても胎盤のためには頑張れません。
でも、赤ちゃんを10か月守ってくれてありがとう!
胎盤を産んだら、会陰縫合です。
このとき、麻酔を刺される痛みは普通に感じたし、縫合の時間も長く感じました。
私は妊娠高血圧症候群の疑いで誘発分娩になっていたため、出産中や出産直後にも血圧を測っていました。
ちなみに点滴はまだ刺されたまま。
出産後2時間は絶対安静です。
分娩台を汚してしまうくらい悪露が出ていて、ナプキンを変えても変えてもすぐ汚れてしまいます。
おしもをきれいにしてもらい、ひと息ついたら疲れと眠気が襲ってきました。
夫と赤ちゃんがやっと戻ってきたため、しばらく抱っこさせてもらいました。
点滴開始から出産までおよそ26時間かかったので感動もひとしおです。
部屋に戻って歩行練習
安静の時間が終わると、部屋まで車椅子で移動です。
ーーあれ?
トイレで違和感を感じました。
尿意は確かに感じるのに出ないんです。
その後導尿してもらいましたが、これも地味に痛かったです。
その上後陣痛でしょうか、出産したのにまだ張ります。
おまけに会陰の麻酔も切れてきてシクシク痛みます。
まだ少しフラフラしましたが、夫の見送りついでに点滴を抜きたい一心で頑張って歩きました。
トイレに寄ってみると少しですが出ました。
でも、キズに染みて痛いし、トイレのたびにおしもの消毒をしてナプキンを変えるので大変です。
ようやく点滴を取ってもらい、長い1日が終わりました。
- 出産後は胎盤出産→会陰縫合→消毒
- 安静が終わると部屋まで車椅子で移動
- 産後は排泄の仕方がわからなくなることも
- 点滴の管は就寝前にようやく外れた
誘発分娩 出産体験談|まとめ
26時間の陣痛はとてもつらく、人生で1番頑張ったといっても過言ではありませんでした。
でも、その後に待っている幸せは間違いなくそれ以上のものです。
ーーこの記事を読んでくれたあなたも、どうか母子ともに健康なお産ができますように。
小幸とみ(@koyuki_tomi)でした。
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