※この記事は2020年4月の内容です。法改正などにより実際の金額と異なる場合があります。
こんにちは、小幸とみ(@koyuki_tomi)です。
ーーもしも、大黒柱を担ってくれている夫が急死してしまったら、生活はいったいどうなるんだろう。
考えたくないことですが、そんな不安がよぎってしまうこともありますよね。
小さな子どもがいるならなおさらです。
この記事では、夫が死亡した場合に遺族がもらえるお金について分かりやすく解説します。
- 小さな子どもがいる
- 専業主婦
- 夫の死亡時にもらえるお金が知りたい
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夫の死亡時にもらえる遺族年金の目安金額
遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。
遺族基礎年金
遺族基礎年金は、国民年金に加入している人が死亡したときにその遺族が受け取れる年金です。
給付対象 | ①18歳未満の子どもがいる配偶者 ②18歳未満の子ども ※子と生計同一の場合は配偶者が受給 |
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給付期間 | 子どもが18歳を迎えた最初の年度末(3/31)まで |
給付資格 | ・死亡した人の保険料納付済み期間が2/3以上あること ・死亡した人によって生計を維持されていたこと ・給付対象が年収850万円(所得655.5万円)未満であること |
子1人 | 年間およそ100万円(月々およそ8万3,000円) |
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子2人 | 年間およそ122万円(月々およそ10万2,000円) |
子3人 | 年間およそ130万円(月々およそ10万8,000円) |
遺族基礎年金は、老齢基礎年金の満額と同額の780,100円+子どもの人数に応じた加算額が支給されます。
遺族厚生年金
遺族厚生年金は、厚生年金に加入している人が死亡したときにその遺族が受け取れる年金です。
給付対象 | ①妻・夫・18歳未満の子 ② 父母 ③18歳未満の孫 ④ 祖父母 ※上記のうち受給順位が高い者にのみ支給される。 ※夫・父母・祖父母は55歳以上に限る。支給開始は60歳から。 |
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給付期間 | 生涯 |
給付資格 | ・死亡した人の保険料納付済み期間が2/3以上あること ・死亡した人によって生計を維持されていたこと ・給付対象が年収850万円(所得655.5万円)未満であること |
遺族厚生年金は、遺族基礎年金と違い子どもがいなくても生涯受け取れる年金です。
遺族厚生年金の支給額は、収入によっても変わりますが、亡くなった本人が受け取る予定だった厚生年金のおよそ3/4です。
平均標準報酬月額 25万円 | 平均標準報酬月額 35万円 | |
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子1人 | 約140万円/年 (約11.7万円/月) | 約156万円/年 (約13万円/月) |
子2人 | 約163万円/年 (約13.5万円/月) | 約179万円/年 (約14.9万円/月) |
子3人 | 約170万円/年 (約14.2万円/月) | 約186万円/年 (約15.5万円/月) |
遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)/日本年金機構
遺族年金シミュレーション/オリックス生命保険
中高齢寡婦加算
夫の死亡時に子どもがいない妻は遺族基礎年金がもらえません。
また、子のある妻でも子どもが18歳になれば遺族基礎年金は打ち切られてしまいます。
これの救済制度として、寡婦(夫と死別した妻)が40歳から65歳になるまでの間、遺族厚生年金に加算給付してもらえる中高齢寡婦加算があるのです。
給付対象 | ①40歳以上65歳未満の子のいない妻 ②子が18歳になったなどの理由で遺族基礎年金の受給資格を失った40歳以上65歳未満の妻 |
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給付期間 | 65歳になるまで |
給付資格 | 遺族厚生年金を受給している |
中高齢寡婦加算の額は、遺族基礎年金の3/4の額(年間58.5万円)です。
遺族基礎年金の受給資格を失えば、
「遺族基礎年金+遺族厚生年金遺族厚生年金+中高齢寡婦加算」
に変わるということですね。
平均標準報酬月額 25万円 | 平均標準報酬月額 35万円 | |
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妻 40〜64歳 | 約98万円/年 (約8.2万円/月) | 約114万円/年 (約9.5万円/月) |
老齢年金+遺族厚生年金
65歳になると中高齢寡婦加算は打ち切られ、老齢年金の受給が始まります。
老齢基礎年金と遺族厚生年金は、どちらも受給することができます。
……あれ? 老齢厚生年金はどうなるの?
- 老齢年金(基礎+厚生)は全額支給
- 遺族厚生年金は老齢厚生年金を上回る分のみ支給される
平均標準報酬月額 25万円 | 平均標準報酬月額 35万円 | |
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妻 65歳以降 | 約118万円/年 (約9.8万円/月) | 約134万円/年 (約11.1万円/月) |
- 遺族基礎年金は18歳未満の子どもがいる家庭に支給される
- 遺族厚生年金には子どもの要件がなく生涯受け取れるが、年齢制限がある
- 中高齢寡婦加算は遺族厚生年金のひとつで、40~64歳の妻が対象
- 65歳以降は老齢年金を上回る分だけ遺族厚生年金が受給できる
夫の死亡時にもらえる遺族年金以外のお金
配偶者が亡くなったときにもらえるお金は遺族年金だけではありません。
- 葬祭費・埋葬料
- 死亡退職金や弔慰金
- 児童扶養手当
- 児童育成手当
葬祭費・埋葬料
国民健康保険に加入している人には葬祭費が、会社の健康保険に加入している人には埋葬料が出ます。
加入している保険によって差はありますが、中小企業の場合、埋葬料の金額は5万円です。
死亡後、健保などから支給される給付金がある~死亡後の諸手続き~/遺産相続弁護士相談広場
死亡退職金や弔慰金
勤め先の会社によっては、死亡退職金や弔慰金が出るケースもあります。
死亡退職金は勤めていた本人が本来もらうはずのお金だったのに対し、弔慰金は遺族を慰めることを目的として遺族に贈られるお金です。
どちらも非課税枠があるので、詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
相続税の課税対象になる死亡退職金/国税庁
弔慰金を受け取ったときの取り扱い/国税庁
また、業務上での死亡の場合は労災がおりることもありますよ。
児童扶養手当
児童扶養手当はひとり親家庭に支給される手当です。
死亡時だけでなく離婚でも受け取れ、その額は所得によって変わります。
子ども1人 | 全部支給:42,500円 一部支給:42,490円〜10,030円 |
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子ども2人 | 全部支給:10,040円を加算 一部支給:10,030円〜5,020円を加算 |
子ども3人 | 全部支給:以降1人につき6,020円を加算 一部支給:6,010円〜3,010円を加算 |
た だ し!
児童扶養手当は遺族年金と併せて受け取ることはできません。
遺族年金の額が児童扶養手当の額を下回る場合は、その差額を受給できます。
公的年金等を受給する場合の児童扶養手当について/厚生労働省
児童育成手当
児童育成手当は、ひとり親家庭、もしくは障がいを持つ子どものいる家庭に支給される手当です。
児童扶養手当は国の制度ですが、児童育成手当は自治体の制度で、主に東京で実施されています。
詳しくは各市町村に問い合わせてみてくださいね。
- 埋葬料は5万円前後
- 会社によっては死亡退職金や弔慰金が支払われることもある
- 児童扶養手当は遺族年金に上乗せされない
- 自治体によって児童育成手当が支給されていることもある
まとめ:夫の死亡時にもらえるお金は遺族年金がほとんど!
夫の死亡時にもらえるお金を紹介しましたが、会社や自治体によるものもあり、不確定な要素も多いです。
もらえるお金として計算に入れられるのは遺族年金くらいですね。
「自分に必要な保障-公的年金の額=生命保険などで備える金額」になるので、一度計算してみてください。
少しでも不安な人はプロに相談するのが確実です。
ゼクシィ保険ショップなら、不安が解消されるまでていねいにヒアリング&ライフプランニングをしてくれますよ。
今のうちから少しずつ考えて、もしものときに備えられるといいですね。
生命保険、夫にいくらかけるのが正解?〜小幸家の場合〜